D-58の作り方


D-58を製作しました(ご参考まで...)。

運搬以外は一人で作業しました。

  1. 材料
  2. 道具
  3. 作業環境

  4. 板の切り取り
    1. 板の注文
       板の厚さに誤差があると、横板の組み合わせ部分に段差ができます。できる限り同じロットのものが、厚さ、色が近いと考えられるので、望ましいです。
       私の場合は、横板に使用する板の厚さが異なったため、外側に段がついてしまいました。また、色も異なったため、塗装にはクリアが使えませんでした。
    2. 板の下準備
       板は正確な長方形ではなく、多少菱形になっているようです。
       このため、あらかじめ四辺を5mm〜10mm程度削っておくとかなり正確に直角に切り取れるようです。
      (業務用のカッター自体の狂いには対応できませんが....)
    3. 板の切り取り手順
       音道を形成する板の幅(D-58の場合:360mm)に誤差がでると、組立が非常に難しくなります。このため、業務用のカッターをこの幅に設定し、同じ幅の板の切り取りを全て、最初に行います。
       また、板の切り取りは左右を同時に(2枚同時)に切ると、左右の板の誤差がなくなり、加工の費用が安くつきます。
       私の場合は、ホームセンターに数回通い、担当の方と顔なじみになっていたので、いろいろな注文を聞いてもらえました。
       また、横板の高さの寸法も同じ手順で行いました。

      • 同じ寸法の板が複数あり、それらに精度の必要なもの
        • 360mm(特に重要)
        • 1021mm
        • 194mm

    4. その他の部分の誤差
       その他の部分の板は、多少の誤差があっても組立に重大な影響はないと思います。

    5. ユニットの穴開け
       ホームセンターの工作部屋の糸のこで切り取れます。
      切り口が多少がたがたになるのさえ気にしなければ、時間をかければできます。

    6. 板の下地仕上げ
       塗装する場合には、板の表面を下地処理(サンドペーパーで一皮削る)したほうが良さそうです。
      下地処理ではおがくずもでるので、ホームセンターでやってしまえば、自宅が汚れずにすみそうです。
       私は、このことに気づかず失敗しました。

    7. 板のボリューム
       切り取り後の板の体積は、中型セダンのトランクいっぱいに収まります。余った板は後部座席に入ります。(100kg以上)

    8. 鬼目ナットの穴処理
       6N208SSは非常に重く、十分に締め付けるには鬼目ナットをつかった方が良さそうです。
      下穴の位置に精度が要求されるので、一度木ねじで(仮に)取り付け、その穴を案内にしてドリ
      ルで下穴をあけるとうまくゆきます。
       また、鬼目ナットの位置は接着部分になるので、ナットの取り付け部分は、表面の板を部分的にめくってやらないと、重ね合わせる板が浮いてしまうの注意してください。(#5と#1の重なる部分)

    9. 突き板張り付け
       突き板は、左右にはみ出た部分を切り取る必要があるため、組立前に貼り付けた方が良さそうです。

  5. 組立
    1. 組立の手順
       「こんなスピーカー見たことがない」のD-58の手順どうりに横板の部分からはじめました。
      D-37の手順も検討したのですが、D-58では板が大きく、重いので採用するのは難しそうです。

    2. 横板の組立
       この部分の板の組み合わせは、きれいな面と、板の長さ、反り、色の状況から、組み合わせを決めました。
       板は多少反っているため、釘で固定したあと、目に付かない部分を木ねじで固定しました。(木ねじで無理矢理貼り付けないと板が反っている場合に、ぴったり接着できません)
       木ねじの処理では、上側の板に案内の穴を開けて、木ねじをねじ込みました。(案内の穴を開けないと、ねじ込みのトルクが大きくなり、電動ドリルでは、ねじ山がつぶれてしまいました。(鉄製のねじ))

    3. 直角な部分の接合
       この部分には、早乾性のボンドを使いました。
      固定は、直角のコーナークランプで直角を出し、端がねで押しつけました。早乾性のボンドと器具のおかげで、すぐに釘を打ち込めました。 (数分後)釘を打ち込んだ後に器具を外し、次の部分の組立をはじめました。
      左右のペアを台にしてくぎを打つと、合理的です。
       #21と#4の板は、コーナクランプがあったので(2台)予め接着することができました。
      こうすると、全てのパーツが安定して立つので、仮組に便利です。

    4. 仮組
       音道を形成する部分の組立が終了した時点で、横板の上に各部分を乗せて、仮組を実施しました。
      できれば、反対側の横板も上からかぶせ、板の反り、凸凹が無いか確認しておけば安心です。

    5. 組立(1)
       雑誌の記事の順に、正面の板から組み立てました。
      角の部分の接合は、コーナークランプで直角を出し、端がねで締め付け、百科事典(重し)で押さえつけました。
       このときに、直角の部分に誤差があれば、ずれが生じますが、コーナークランプがあれば、無理矢理、横板の形に修正できます。(誤差は四隅に現れる)
       音道部分の奥行き(550)と、横板の奥行き(553)は、板の厚さの誤差を考慮して、設計時点で3mmの違いがあるので、板の現物の奥行きに注意する必要があります。
      (奥の部分を接着するときに、誤差の分を考慮してずらす必要がある)

    6. 組立(2)
       内部の組立では、2カ所以上の接着になるので、片方に誤差がでる場合があります。(ぴったり付かずに浮く部分ができる)
      この場合には、多めのボンドを付け、端がねで無理矢理締め付けるとなんとかなります。
       部分的には、木ねじ(割れにくいもの)が有効です。
      (#8はあらかじめ#4に接着していました、そこに、#7+#9を接着するときに、#2,#3の側に合わせると#8と#9の間が浮いてしまったのですが、木ねじで黙らせました)

    7. 組立(3)
       最後にもう一方の横板を乗せるのですが、接着前に、もう一度仮組みして凸凹がないことを確認します。
       一つの角を基準に位置し、端がねで挟んで位置決めすると、反対の部分に誤差が集中します。
      開口部分は比較的修正しやすいので、正面上側の角を最初に位置決めて固定し、正面下の開口の部分に誤差を集めるのが良いと思います。
      4カ所の角が全てぴったり合えば良いですが、いくつかの誤差が発見されると思います。試しに動かしてみれば修正可能な誤差と、そうでないものが明らかになります。
       目処がついた後に、接着剤をぬり、板を乗せます(重いものをきっちり乗せるのは非常にしんどいです)
       接着が安定する前に、端がねで正面上の角を固定し、その他の部分を力ずくで無理矢理修正し、最後に開口部をコーナークランプで固定します。さらに、大量の重しを乗せ動かなくします。こうすれば、ある程度の誤差は何とかなると思います。
       私の場合は、いくつかの誤差がでましたが、修正できるものは修正し、どうにもならないものはあきらめました。(あちらをたてると、こちらがたたない)

  6. 色塗り
  7. その他
    1. 板の反り
       横板の接合面が浮く場合には場合には、木ねじで黙らせます。(2枚の板の接合には木ねじが必要だと思います)
      接着後に、反ってしまった場合には、反対方向に反るような支持をして、放置します。放置する時間は状況によります。
      私の場合は、1組の横板を漬け物の樽の上に一晩放置したため、弓なりに一方に反ってしまいました。これは、反対方向にして一晩放置して治しました。
       また、奥の部分の板は、無理矢理、補強の板に木ねじで押しつけて黙らせました(#21を#19に木ねじで固定する)。

    2. 切り取りの誤差
       私の場合、修正の必要があったのは、音道の部分の補強の板が多少長かっただけで(#10,#11の長さの違い)、ヤスリで削りました。
      試しに、カンナを使って板を削ったのですが、合板はあまりうまく削れません。やはり、ヤスリの方がベターでしょう。
      長い部分の修正は、やっていないので何ともいえません。

    3. D-58の移送
       私は実家でユニットの取り付け以外を行い、現住所にくろねこの業務便で送り、ユニットを付けました。その時に計ったのですが、箱だけで一個、約58kg程度ありました。私の力では、部屋の中での移動以外は不可能です。
       D-58の「D」は`でっかい`で、「58」は箱の重さだったのです。
P.S.
 一人での作業は予想以上に体に悪いです。(半年はやりたくないです)
 最初から重さが50kgを越えると知っていれば、無謀な企みをおこさなかったかも..(いいえ、それでもやったでしょう)

以上、少しでもご参考になればと思います。
駄文に最後までおつき合いいただき、ありがとうございます。

この記事はかねごんさんに提供していただきました。

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