DAT (デジタル・オーディオ・テープ)は、現在 2 トラックのプロ用デジタル録音における標準的なデジタルフォーマットです。DAT は一時期民生用としても脚光を浴びましたがあまり成功をおさめることが出来ませんでした。ディジタルレコーダはクリッピングの許容範囲が狭いため、DAT レコーダーを使う為には独特のこつが必要ですが、DAT フォーマットには CD と同じ分解能とダイナミックレンジがあり、こつさえつかめば非常に良い録音が出来ます。また DAT は最長 2 時間まで録音でき、3 つの異なったサンプリングレートで録音/再生することができます: 32kHz、44.1kHz ( CD コピー用)、48kHz ( DAT 標準)。
DCC (デジタルコンパクトカセット)は通常のコンパクトカセットをデジタル化したもので、フィリップスが提唱しています。DCC デッキはアナログ録音されたコンパクトカセットを再生することができ、デジタルコンパクトカセットを録音/再生することができます。
DCC は、DAT や VTR のような「ロータリーヘッド」を使わずに「固定ヘッド」を使っています。DCC ではデータの圧縮を行っていますので、昔のカセットよりはるかに優れた音質ではありますが、DAT や CD に比べると音質は劣ります。
DCC はカーステレオやウォークマン用としては良い選択かも知れませんが、プロフェッショナルな応用に適していません。1992 年 12 月現在、DCC は非常に新しいものでまだ非常に高価です。DCC の将来がどのようになるかは確実ではありません。
(訳者注:この情報は大分古いので、どなたか現在の状況をご存知の方いらっしゃいましたら補足をお願いしたいです)
録音可能な CD (CD Rewritable)は販売されていますが、まだ非常に高価です。ブランクディスクは約 35 ドルもしますし、レコーダーも最低 6,000 ドルします。CD-R はレコーディングスタジオなどのプロ用機器として使われています。
(訳注:現在 CD-R のブランクディスクは 700 円前後で購入可能なはず。正確な数値をご存知な方がいらっしゃったら、教えてください。)
Dolby B、C、S、DBX は録音の S/N 比を良くする技術です。これらの技術はすべて、録音時にダイナミックレンジを圧縮し、再生時に伸張するという方法を使っています。Dolby B で録音したテープを正しく再生するためには Dolby B で再生しなければなりません。Dolby C、Dolby S、DBX も同様です。Dolby HX Pro は例外です。
Dolby B は高い周波数だけで機能します。Dolby B では録音時に高い周波数のレベルを増やし、再生時にそのレベルを減らすことによって、ヒスノイズのような高周波ノイズを減少させます。
Dolby B で録音したテープは Dolby B の処理無しでも再生することができます、しかし高い周波数が過度に強調されて再生されてしまいます。この症状は高音のトーンコントロールを下げることによってある程度埋め合わせることができます。オーディオの初心者は、Dolby B を使って録音されたテープを Dolby なしで再生した場合の音に慣らされている傾向があるので、Dolby を入れて聞くと音が鈍くなると思い込んでいることがあります。
Dolby C はより広い周波数で作用し、相対的なレベルをさらに大きく変えることによって Dolby B よりも大きなノイズリダクション(およそ 8 から 10 db )を行います。したがって Dolby C で録音したテープを Dolby なし、あるいは Dolby B で再生すると非常に周波数レスポンスが悪くなり聞くに堪えない音になってしまいます。Dolby C はデッキのアライメントなどに非常に敏感なので、デッキが変わると正確な周波数レスポンスを得られないことがあります。Dolby C を使用する時は録音に使用したデッキで再生することを前提としたほうが安全です。
Dolby S は Dolby C よりもさらに広い周波数で作用し、Dolby S よりもわずかに大きなノイズリダクション効果があります。Dolby S は Dolby C に比べて 3 つの長所があります。
DBX は Dolby B、C、S、に類似していますが、高低全ての周波数にたいして同等の圧縮を行うことが特徴です。DBX は通常プロ用として使われています。民生用の DBX 装置は殆どありませんし、またあったとしてもプロ用の品質には遠く及びません。
- 多くの人々は Dolby C よりも Dolby S の音の方が 自然な再生音と感じます。
- Dolby S で録音したテープを Dolby B で再生しても、さほどひどい音に聞こえません。
- Dolby S はデッキ間の相違にそれほど敏感ではありません。
すべての DBX システムはすべての他の DBX システムと互換性がありますが、Dolby とは互換性がありません。DBX テープを DBX 処理無しで聞くことはできません。
すべての圧縮/伸張システムには 2 つの問題があります。第一の問題は、圧縮器は大きな音が入った瞬間に信号を圧縮できないことです。若干の信号は圧縮されずに通り抜けてしまいます。また、小さな音の場合、信号が検出されるまでの間は伸張が行なわれません。
このような遅延によって生じる症状は「 breathing 」と呼ばれ、音質に悪影響を及ぼします。
2 つ目の問題は、テープレコーダーの周波数レスポンスエラーが圧縮/伸張によってさらに拡大されてしまうことです。例えば、もしテープレコーダーの 1kHz 近辺に 2dB のディップがあるとした場合、2 : 1 の圧縮をかけるとそのディップは 4dB に強調されてしまいます。つまり圧縮/伸張はノイズを減らすのと引き換えに周波数レスポンスエラーを強調してしまうのです。これら 2 つの問題のため、S/N よりも周波数レスポンスを重視する人達はノイズ・リダクションシステムを使用しません。
Dolby HX Pro はノイズリダクションシステムではありませんので、圧縮/伸張は行いません。Dolby HX Pro は、ドルビー研究所で開発された技術で、大きく高い周波数成分を録音する時にバイアスを減少させることによってテープの録音容量を増やす技術です。この方式を使用すると、テープに良い過渡応答特性を与えることができます。特により安価なテープを用いた場合に有効です。Dolby HX Pro は再生時に処理を必要としません。
Dolby HX Pro で録音されたテープはどんなデッキでも再生でき、特に音質に影響を与えません。
PASC (Perceptual Audio Sub-band Coding)はデータ圧縮アルゴリズムです。このアルゴリズムは所定のデータ長にデータを格納するために、人間の聴覚では感知できない音声成分を削除することにより音声データを圧縮するものです。開発者は削除される音声成分は人間の聴覚では認知できない部分なので音質に影響がないと主張していますが、やはり聴感上は最弱音や最強音の周波数成分に影響を与えるようです。
このアルゴリズムは、通常のデジタルメディアに記録できるレコーディング長の 4 倍までデータを圧縮することが可能です。この技術は DCC に使われているもで、MD では違うタイプの圧縮技術を使用しています。PASC は CD の録音/再生には使われていません。
PASC は音質に影響しますが、ヒスノイズのように特徴あるノイズではないので、ノイズそのものを聞くことは非常に困難です。しかし、PASC による音質の影響はスピーカーの周波数レスポンスの段のように広範囲に発生する修復不可能なドロップアウトとなりますので、違いを聞き分けることは比較的容易です。
PASC レコーディングを繰り返すと音質の劣化は進行します。この劣化は簡単にわかる類のものです。これはレコード会社の希望によって施された、DCC の違法コピー防止策による副作用です。
SCMS (シリアルコピーマネージメントシステム)は、違法コピーを防止するために開発された複製防止システムです。SCMS はデジタル信号をデジタル信号のままコピーすることを 1 世代までしか出来ないようにしています。
SCMS は音質に影響しません。
エンジニアがデジタルのビットストリームを加工する為の特殊な装置がありますが、それらは数百ドルもするもので一般向けではありません。もし完ぺきなデジタルコピーを作る必要があるなら、プロ用のディジタルレコーダを買うことをお薦めします。プロ用モデルは SCMS を持ちませんし、民生用レコーダーよりも丈夫で品質が良いことが普通です。
すべての DAT デッキとすべてのアメリカ合衆国で売られたブランクデジタル・テープの値段は「保険料」あるいは「税金」を含んでいます。この税金は合衆国の著作権オフィスに集められ、著作権を所有するレコーディングアーティストとレコード会社に支払われます。これらの料金は失われたであろう著作権料を補うことを想定しています。
多くの人々はこの「税金」が非合法であると考えています。なぜならそれは購入者が著作権に違反した録音をすることを前提に考えられているからです。合衆国の法律制度の原則では、有罪であると証明さるないかぎり無罪であるはずです。
もしあなたがこの法律が不公正だと考えるなら、あなたの地区の選出議員に陳情してください。
現在合衆国では、自分自身のプライベートな使用(ウォークマン用に CD をコピーすることなど)のために LP、CD などをコピーすることは合法となっています。英国の法律は特別にこれを禁止していますが、実際にこの法律が行使されたことはありません。
商業目的のためのコピーや人にコピーを与えることは、合衆国、英国、などほとんどの国で禁じられています。
しかし、税金のかかっているデジタル・オーディオ機器やテープを使って作成したコピーテープを売った場合が違法になるのかどうかは今のところはっきりしていません。
まず最初に注意しなければいけないのは、DAT のテープヘッドが非常に壊れやすいことです。DAT ヘッドを掃除する前にはできるだけ詳しい情報を入手してください。インターネットからは、「 DAT-Heads-Digest FAQ 」がダウンロードできます。この FAQ の20.2以降に詳しい情報があります。
テープヘッドの掃除には、純粋な イソプロピル・アルコールと糸くずの出ない良質の綿棒を使ってください。アルコールでトランスポートの金属部分を拭きます(ローラーを拭いてはいけません!)。そして乾くまで待ってください。一度使用した綿棒は捨ててください。DAT ヘッドの掃除は非常に注意深く行ってください。DAT ヘッドを乱暴に清掃すると簡単に調整が狂ってしまいます。
テープヘッドの消磁装置は 10 ドル以下で入手可能です。できれば消磁チップがプラスチックでカバーされたものを購入して下さい。もしプラスチックでカバーされたものが見つからなかったら、チップをストローやプラスチックチューブでカバーしてから使って下さい。このプラスチックカバーは消磁装置がヘッドを傷つけるのを防ぐために必要です。
消磁装置に電源を入れる前に、すべてのテープを取り除いて、そしてレコーダーの電源プラグを抜いてください。まずレコーダーから離れて消磁装置を持ちます。次に消磁装置に電源を入れ、ゆっくりと消磁装置のチップをテープヘッドに近づけます。そして 1 秒に 1 回の割合で 5 回くらいテープヘッドの近くを前後させ、ゆっくりとヘッドから遠ざけます。この動作を各ヘッドに対して行います。ヘッドを消磁したら、同じ動作を金属のテープガイドに対して行ってください。最後に消磁装置をゆっくりレコーダーから遠ざけて電源を切ります。レコーディングエンジニアはレコーディング・セッションの度に消磁を行っています。
本格的にテープレコーダーを調節するためには特別な設備と試験用端子が必要です。自信がなければプロに依頼するのが無難です。自分で調整する場合には、テープレコーダーの保守マニュアルを買ってください。保守マニュアルには正しいテストテープとツールの説明、詳細な手順が記載されています。
録音レベルの調整は、実際に色々な種類のテープを様々な録音レベルで使ってみて実験するのが一番です。設定が異なれば飽和レベルも変わってきます。一般的に言ってクロムテープは若干大きな飽和点を持っていますが、その場合でも+6 デシベルをピークの上限として使用するべきです。
Projector-Recorder Belt Company Whitewater WI USA 800-558-9572
Teac RC-1 available from J&R Music World 59-50 Queens-Midtown Expressway Maspeth NY 11378-9896 USA 800-221-8180 or 718-417-3737 Tascam Rubber Cleaner RC-2 available from: Tape Warehouse Chamblee GA 1-404-458-1679
ラジオ・シャックとパナソニックはプログラムタイマー/ラジオ/カセットを作っています。 ラジオ・シャックでは 120 分カセットを売っていますので、これを使えば片面 60 分の録音ができます。このテープは高品質ではありませんし、壊れやすいのですが長時間録音には便利です。
金物屋では「機器タイマー」を売っています。これを使えば機器を好きな時間に電源 ON/OFF できます。ラジオ・シャックでは同じもののもっとおしゃれなバージョンを売っています。マニアは「 X-10 」コントロールシステムを愛用しています。これらは毎日同じ時間に動作するように設定できます。留守録を行うには録音モードに入れたままスタンバイできる機種のレコーダーが必要です。通常この機能の付いているレコーダーはフロントパネル上に「タイマ」切り替えスイッチが付いています。最近のカセットデッキにはこのタイマスイッチが付いているのが普通です。
Memorex からは組み込みタイマー付きの「 CP-8 Universal Remote 」を売っています。これはおよそ 90.00 ドルで入手可能です。次の店で取り扱っています。Crutchfield 1 Crutchfield Park Charlottesville VA 22906 USA 800-955-3000 or 804-973-1811 又は J&R Music World 59-50 Queens-Midtown Expressway Maspeth NY 11378-9896 USA 800-221-8180 or 718-417-3737この機種はリモコンですので、タイマースイッチの無いレコーダーにも使えます。ラジオ・シャックからも同様の製品が 99.95 ドルで売られています。ひょっとするともっと安く売られているかも知れません。
Damark からはタイマーとスリープタイマーを内蔵した学習リモコンが出ています。このリモコンは 5 つの装置毎に 17 のコマンドを学ぶことができるので、複数の番組をテープに取るときには大変便利です。また 8 つのデバイスをコントロールできる機種もあります。Damark は現在閉店セールをやっているのでこれらの製品は将来は入手できないかも知れません。Damark 7101 Winnetka Avenue North PO Box 29900 Minneapolis MN 55429-0900 USA 800-729-9000 or 612-531-0066MCM エレクトロニクスからも類似の学習リモコン (Lonestar Learning Universal Remote) がでています。24.95 ドルです。MCM Electronics (Speakers, A/V Repair Parts, Etc) (+) (C) 650 Congress Park Dr Centerville Ohio 45459-4072 USA 513-434-0031 or 800-543-4330フォックス (Fox) やカーバー (Carver) からもタイマーリモコンが発売されています。
正真正銘のオタクには、科学用電卓の HP-48 が良いでしょう。この電卓にはプログラマブルなリモートコントロール機能があります。この電卓用のアプリケーションソフトとしてオーディオリモートコントロールソフトウェアが販売されています。詳しい情報は HP-48 の「よく尋ねられる質問」(FAQ)にあります。ここにはいくつかのフリーソフトがアップロードされています。この「よく尋ねられる質問」は、http://rtfm.mit.edu/pub/usenet-by-group/comp.sys.hp48にあります。
オーディオ録音に VTR を使う方法もあります。VTR にはタイマーが内蔵されていますので、チューナーの出力をつなぐだけで簡単に留守録をすることができます。ただし、機種によっては同期回路が正確に働くようにするために、ビデオ信号を接続しなければならないかも知れません。
いいえ、特に問題ありません。CrO2 やメタルテープは普通のテープより滑らかに加工されています。CrO2 やメタルテープ に対応したデッキでは、これらのテープの持つ録音キャパシティーが大きい特徴を生かすためや、よりフラットな周波数レスポンスが得られるように、異なったバイアスとイコライザーの設定ができるようになっています。安いテープデッキではヘッドは異なりますが、類似の方法が行われています。現在、ほとんどすべてのテープはほぼ同じ潤滑剤が用いられており、耐用年数の向上とテープの鳴きを防止しています。
これは「接着材分泌物」によって発生する問題です。テープの裏側との接着材は酸化膜により隔離されています。時間が経過すると接着材が酸化膜を透過して表面へ分泌する場合があり、このようになるとテープの表面がべた付いてきます。このべたつきがヘッドを通過すると「チューチュー」音が出ます。このべたつきは指で触ってもわかりません。この問題が発生するテープは接着剤を乾燥させると直る場合があります。オーブンなどで 65 ℃程度の非常に低い温度で加熱してみてください。
HiFi 録音フォーマットには、ヘッド のスイッチングノイズと、コンプレッションエラーという 2 つの問題があります。
1 つのオーディオヘッドによって再生される FM 副搬送波の波形は、ヘッドスイッチングのポイントにおいて発生するグリッチを回避するために、他のヘッドと完全にマッチしていなくてはなりません。同じデッキで記録/再生を行えば問題はあまり発生しませんが、テープが僅かに伸びた場合や、録音/再生を違うデッキで行う場合にはトラッキングがずれる場合があります。この「ずれ」は再生音に影響し、60Hz 近辺のうなり音を発生します。このノイズはスピーカーでは気が付かない場合がありますが、ヘッドホンを使うと聞こえます。
グリッチは同じくビデオ波形にも存在しますが、ヘッドスイッチングは常に垂直回帰の間に起きるので気にならないことが普通です。
VHS HiFi の S/N 比が良いのは、録音/再生に圧縮/伸張を行っているからです。テープ自身の実際の S/N 比はおよそ 35 デシベルです。圧縮/伸張には 2.5 : 1 のコンプレッサーが使われています。コンプレッションを行うと、大きな音量のすぐ後の部分に「しっぽ」のようなノイズが発生します。このノイズはある特定の信号の特定の場所で発生します。
さらに問題なのは、コンプレッションを行うと正しい音量レベルを得るのが難しくなることです。この問題は、-90dB から 0dB まで 1dB ステップずつボリュームを上げて一定のトーン信号を録音したものを再生すればすぐに発見できます。音量の増え方はリニアになりません。この問題は、1dB ステップで増えていくはずの音量が、2 〜 3dB ステップが同じ音量で再生され、その後一気に数 dB 音量が増加したりする症状となって現れます。音楽ではこのような症状は時に致命的な欠陥となる場合があります。
映画では一般にあまり音量が変わりませんので、この症状はあまり目立ちません。VHS HiFi と Beta HiFi は映画やテレビ番組の録画用としては問題ありませんが、ピュアオーディオ用としては、DAT、CD、オープンリールアナログテープはもとより、高品質のカセットデッキにも及びません。
VHS HiFi と Beta HiFi はビデオテープにビデオ信号とステレオの音声信号を記録する変調テクニックを使うアナログ記録フォーマットです。「 HiFi 」デッキのオーディオ性能はそれまでのものに比べかなり向上しており、もはや「 HiFi 」はビデオ録画に不可欠なものとなっています。
しかし、結論から言えば HiFi ビデオデッキは ピュアオーディオ(画像無しのオーディオ)用には適していません。理屈の上の仕様では一般のアナログカセットより優れていますが、DAT には到底かないません。また、実際の HiFi ビデオデッキの品質は、ノイズリダクションシステムを使ったラジカセよりは良いですが、高品質のカセットデッキよりも明らかに劣っています。HiFi ビデオは決して DAT に匹敵することはできません。
品質が劣るのを承知で使うのならば、VHS HiFi は最長 9 時間までのタイマー録音が出来ますのでエアチェック用として便利です。ただし、機種によっては同期回路が正確に働くようにするためにビデオ信号を接続しなければならないので注意して下さい。また少しでも良い音で録音したいのならば手動で録音レベルを調整してください。
VHS HiFi は「深層記録方式(FM変調)」を使っています。一方、Beta HiFi は「周波数変調」を使っています。
もしステレオ TV を持っていないなら、ステレオ放送を聞くことが出来るようになります。
カセットテープを選ぶのに間違いの無い方法の一つは、テープデッキのバランスを取るために使われた標準(推奨)テープを使うことです。ただし、より高価なテープは一般的にテープ支持機構の品質、酸化物の耐久性、シェルとガイドの寿命などが優れていますので、バランスさえ合えばさらに良いと言えます。
背景: ヘッドやテープの周波数特性はフラットではありません。したがってテープデッキを設計する時にはこれを補正するカーブを回路に持たせています。この回路はデッキ完成後に実際のテープを用いて調整してから量産されます。テープはメーカーによって特性が異なりますので、テープの種類によっては特性が合わないものも出てきます。したがって、原則的には標準のテープを使うことが基本となります。他人が推薦するテープが自分のデッキでは良くないことがあるのはこのためです。
ほとんどすべてのテープはそれぞれ良く言う人と悪く言う人がいます。Maxell と TDK は多くの崇拝者がいますが、これはマーケットシェアが大きいからとも言えます。
14.22 を見てください。オープンリールの場合もカセットと事情は同じです。人気のある商標はアンペックス、スリーエム、AGFA/BASF と Maxell です。
これらは IEC (International Electrotechnical Committee) の標準規格です。この標準規格はテープ毎にデッキの調整を行わないで済むようにするために制定されたものです。Type I は標準的な「酸化鉄」テープ (Fe2O3) です、Type II はハイバイアスの「クロムオキサイド」テープ (CrO2) です。Type III は現在では殆ど使われていない FeCr (フェリクロム合金)です。そして Type IV が鉄(メタル)です。
一般的に Type II テープは Type I テープよりも高価で、Type IV テープは最も高価です。これは Type II テープがより少ないノイズとフラットな高周波のレスポンスを持つためです。Type IV テープは一般的に最も優れた特性を持っています。
テープによっては Type II よりも高価な Type I テープもあります。高価なテープは概して、良いシェルを使っている、テープの潤滑性が良い、ドロップアウトが少ない、周波数レスポンスが穏やかである、均質である、などの特徴があります。タイプは一般にテープの材質を表していますが、中には例外もあります。例えば、酸化鉄を使ったテープの一部に Type II 指定の物があります。このテープはクロムを使っていませんが、ハイバイアスで用いたときに性能が得られるように設計されています。
最近のカセットデッキはハウジングの後部にあけられている穴の有無によって、自動的にタイプを切り替えてバイアスとイコライザーを自動設定するようになっています。また、高価なデッキ( Revox、Nakamichi など)では試験信号音を録音し、自動調整を行うようになっているものもあります。
実際には各テープの特性は種類によって微妙に異なっています。一般にはデッキに合ったテープを使いますが、調整ができるようになっている機種では好みのテープに合わせて設定を行うことも可能です。
デッキのメーカーでは製造時に特定のテープ(推奨テープ)を使って調節していますので、原則的にはオーナーズマニュアルに記載されている推奨テープを使うことが最適と言えます。録音スタジオでは、テープ毎に調整を行って使用しています。