rec.audio.* FAQ

13.0 リスニングルームと住宅

13.1
スピーカーは部屋のどこに置くべきですか? どんなサイズの部屋が最適ですか?
13.2
ケーブルはどのように配線するのが良いでしょうか?
13.3
リスニングルームの構造と調整について書かれた本を紹介して下さい。
13.4
ホワイトノイズ、ピンクノイズとは何ですか?

13.1 スピーカーは部屋のどこに置くべきですか? どんなサイズの部屋が最適ですか?

スピーカーの設置や部屋によって改善できることは、主フラットな周波数レスポンスを実現する事と、ステレオイメージの実現です。工夫が可能なのは 部屋の大きさ、部屋の形、スピーカーの高さ、スピーカーの設置場所、リスニングポジションと音響処置です。良い音には良いスピーカーが欠かせませんが、部屋はスピーカーと同じくらい重要です。多くの場合、部屋の音響効果の改善は 2 倍高価なスピーカーを購入するよりも効果があります。

理想的な低音の応答特性を得るためには、出来るだけ大きい適度にダンプされたリスニングルームが必要です。理想的には次の寸法比率のリスニングルームが最適です。
  高さ  幅   長さ
   1   1.14  1.39
   1   1.28  1.54
   1   1.6   2.33
ただし、寸法比率の効果は最も重要なファクターではありませんので、あなたの部屋が上記比率ではないとしてもあまり悲観することはありません。

滑らかな低音の応答特性を得るためには、ウーファーの位置が 3 つの壁からそれぞれ違った距離になるように設置することが重要です。場合によってはリスニングルームの左右センターに壁があると仮定して設置を行う必要がある場合もあります。また、この原則はリスナーの耳の位置にも当てはまります。

スピーカーの近くの壁は特定の周波数の低音を引き上げるので、この原則を守ることは大変重要です。3 つの壁から同じ距離にスピーカーを設置した場合、特定の周波数だけが強調されて聞こえてしまうでしょう。

立体的なステレオイメージの再生のためには、2 つのスピーカーの設置位置は左右対称でなければなりません。つまり、1 つのスピーカーを部屋の角に設置した場合、もう一方のスピーカーも反対側の部屋の角に設置しなくてはなりません。スピーカーを左右対称に設置しない場合は両者のスピーカーの壁からの反射が異なってしまい、立体的なステレオイメージの再生を著しく阻害するでしょう。

スピーカーからリスナーまでの間には大きな障害物を置いてはいけません。スピーカーの高さは、ツイーターの位置がリスナーの耳の高さに一致するように設置するべきです。左右スピーカー間の距離はスピーカーからリスナーまでの距離より大きくしてはいけません。そしてツイーターの向きをリスナーに向けることが理想的です。

標準的な箱形の部屋では、壁がむき出しになっていると「エコー (slap echo) 」を引き起こし、明瞭度を低下させます。この対策には壁から 2、3 センチ離した位置にランダムに小さな敷物をぶら下げる方法が効果的です。また、凸型の美術品を壁に掛けるのもよい方法です。お金があれば「 Tube Traps 」や「 RPG Diffusers 」のような市販品を使うこともできますが、別にこれらの高価な専用品を使わなくても十分な効果を得ることが出来ます。

原則として、音響の良い部屋ではスピーカーを壁の近くに設置することが出来ますし、リスナーも反対側の壁に近い位置で聞いてもあまり部屋の影響を受けません。音響の良くない部屋では出来るだけ壁から離れた位置にスピーカーを設置しなければなりませんし、リスナーも壁から離れて聞かなくてはなりません。

スピーカー設置を最適化するには、まずリスニングルームの対角線の長さを測ります。次に測った長さを 3 等分し、スピーカーを部屋の角から対角線上に 1/3 遠ざけた位置に設置します。こうして決めた位置がスピーカー設置のスタートポイントとなります。
	I-------------------------------------------------I
	I                                                 I   L :リスナー
	I                       L                         I   S :スピーカー
	I                                                 I
	I         S                          S            I
	I                                                 I
	I-------------------------------------------------I
リスニングポジションはスピーカーから壁までの距離の半分の位置がベストです。2 つのスピーカーとリスニングポジションで構成される「三角形」の部分には何も置かないで下さい。

最後に聴感による微調整を行います。試聴を繰り返しながらスピーカーを 1 回に 30cm 程度動かしてベストのポジションを探って下さい。測定機を併用する方法もありますが、自分の耳が最も頼りになる測定機です。調整を行うときは、自分の行ったことをメモしておくとよいでしょう。スピーカーをずらすときは、いつでも元の位置に戻せるように位置を正確にマークしておいてください。床がカーペットの場合は針と糸をつかってマークしておくことをお薦めします。

13.2 ケーブルはどのように配線するのが良いでしょうか?

物理的原則の通り、長いケーブルは信号を減衰/劣化させますので、ケーブルは短いほど良いといえます。したがって多くの部屋にスピーカーケーブルをあらかじめ配線しておくことは信号経路をいたずらに長くすることになり、お薦めできません。

もしこれから家を建てるのなら、家が出来上がった後に壁の中に配線を入れることは困難なので、電気/電話の配線工事を行うときに同時にスピーカーケーブル配線しておくことも一つの方法でしょう。

普通の家の壁の電線( Romex、UF、NM、など)をスピーカーケーブルに流用することは経済的な方法ですが、建築コードに違反するかも知れませんので、あらかじめ電気技師あるいはインスペクタに問い合わせてみてください。また将来家を改築するときに電気技師が混乱しないようにするため、どの配線がスピーカーケーブルなのかが解るように明示しておく必要があるでしょう。

もしレコーディングスタジオのような家を作りたいのなら、レコーディングスタジオの配線技術を使えば完璧です。スタジオでは部屋をまたがるような長距離の配線に、600 のオームのラインアンプと、シールドされたツイストペアケーブルを使っています。シールド線は片端だけを接続し、反対側はバランス入力になっています。

13.3 リスニングルームの構造と調整について書かれた本を紹介して下さい。

	"Building a Recording Studio" by Jeff Cooper
		Mix Bookshelf
	"Handbook for Sound Engineers"
	"The Master Handbook of Acoustics" by F Alton Everest
	"Sound Engineering 2nd Edition" by Don and Carolyn Davis;
		Howard W. Sams & Co. (C) 1990
	"Good Sound" by Laura Dearborn
		Introductory, but clear and accurate
	"Sound Recording Handbook" by John M. Woram
		Howard W. Sams & Co. #22583
		Excellent General Reference
	"Audio Technology Fundamentals" by Alan A. Cohen
		Howard W. Sams & Co. #22678
		Overview of Audio Theory
	"Introduction to Professional Recording Techniques"
		by Bruce Bartlett
		Howard W. Sams & Co. #22574
	"Modern Recording Techniques" by Hubar and Runstein
		Howard W. Sams & Co. #22682
	"Sound Studio Production Techniques"
		by Dennis N. Nardantonio
		Tab Books
	"The Uneasy Truce Between Music and the Room"
		F. Alton Everest
		Audio, February 1993, Pgs. 36-42
	"Coloration of Room Sound by Reflections"
		F. Alton Everest
		Audio, March 1993, pgs. 30-37

13.4 ホワイトノイズ、ピンクノイズとは何ですか?

「ホワイトノイズ」とは時間軸上の任意の 2 点間のノイズを意味します。ホワイトノイズは周波数によらずに一定の連続スペクトルを持っており、これは白色光が大むねフラットな周波数特性を持つところから名付けられています。

「ピンクノイズ」は所定の周波数帯域内で、1 オクターブ当りに含まれる成分の強さが周波数位置に無関係に一定なノイズです。ホワイトノイズをー 3dB/オクターブ の低域通過フィルタに通せばピンクノイズが得られます。

オーディオのテストにはピンクノイズの方が適しています。この理由は、ピンクノイズは通常の音楽のスペクトルに似通っていること、及び、ピンクノイズが一定の Q を持つバンドパスフィルターで簡単に測定できることなどによるものです。ピンクノイズは音階に対応する周波数の対数グラフに直線的に描かれます。

通常ピンクノイズは 1/3 オクターブの帯域フィルタと共に音響測定に使用されます。この方法は、1/3 オクターブは周波数レスポンスの凹凸を検出する人間の聴覚能力の限界に近いために好都合なものです。また、あまり広い帯域で測定平均を求めると部屋の定在波によって生じる多数の非常に狭いピークやディップを隠してしまう為、1/3 オクターブが最も適当な帯域として用いられています。

もう 1 つの一般的用語はガウス性ノイズです。これはガウス性振幅確率密度を持っているノイズです。ガウス性ノイズはガウス振幅密度に対してリニアなフィルタリング特性を維持し、ガウス確率変数の合計が再びガウス分布になるという特性を持っています。ガウス性ノイズは混乱を生じやすい用語ですが、ホワイト/ピンクノイズとガウス性ノイズを混同しないようにして下さい。ガウス性ノイズにはホワイトノイズとピンクノイズの両方があります。
(訳者注:難しくて上手く訳せないので、以下に電子通信用語辞典:コロナ社からの抜粋を付記します。「ガウス性ノイズは別名不規則雑音と言い、瞬時振幅が継続時間中での確率分布関数としてのみ決められる雑音。瞬時振幅がガウス分布に従って生ずるような不規則雑音をガウス性ノイズと言う」)

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