rec.audio.* FAQ

12.0 ハイファイシステム

「ステレオ」と言う呼び方もありますが、正確には「ハイファイシステム (High Fidelity System) 」と呼ぶべきでしょう。ハイファイシステムには少なくとも 1 つのソース、1 つのアンプ、1 つのスピーカーが含まれます。通常のソースは、ターンテーブル、CD プレーヤ、テープデッキ、チューナー/レシーバーです。
12.1
レシーバーとは何ですか?
12.2
チューナーとは何ですか?
12.3
システム選びはどのように始めるべきですか?
12.4
音を改善するにはどうしたら良いでしょうか?
12.5
Combo システムと単品コンポはどちらが良いでしょうか?
12.6
FM を上手く受信するにはどうしたら良いでしょうか?
12.7
小型 FM アンテナの性能はどの程度ですか?
12.8
最も良い FM アンテナは何ですか?
12.9
電源ラインコンディショナとは何ですか?
12.10
振動対策はどのようにしたら良いのですか?
12.11
100 %アメリカ製の製品を出しているのはどのメーカーですか?
12.12
「 xxx 」、「 yyy 」、「 zzz 」の内どの製品が良いでしょうか?
12.13
サラウンド、Pro Logic とは何ですか?

12.1 レシーバーとは何ですか?

レシーバーはチューナー、パワーアンプ、プリアンプを統合したものです。一般にレシーバーはターンテーブル、CD プレーヤ、テープデッキの入力端子、及びその他のソースの入力端子を持っています。レシーバーにはセレクタスイッチ、トーンコントロール、ボリュームコントロールがついています。レシーバーによっては 2 つ以上のスピーカー端子を持っているものもあります。

12.2 チューナーとは何ですか?

チューナーは直接スピーカーに接続することができない無線受信機です。チューナーの受信機はレシーバーより品質が高いのが一般的です。チューナーには AM 放送を受信できるものと FM 専用のものがあります。なかには短波や、ローカルコマーシャルブロードキャストが受信できるものもあります。

12.3 システム選びはどのように始めるべきですか?

最初のステップは各機器の機能を理解し、自分にとって何が必要かを見極めることです。もしシステム全部を探しているのなら、各コンポーネントに対する予算配分量を決めなければなりませんので、より慎重に行なう必要があるでしょう。一般的な原則は、スピーカー、アンプ、プレーヤーに同じ金額を配分する方法です。もし複数の音楽ソース( CD、ターンテーブル、チューナー、DAT、MD、カセット、など)が必要なら、それらにどの程度の予算配分をするかも決めなければなりません。一般には良く聞く音楽ソースに重点を置いて予算配分をします。

この規則は定石ではありませんので、すべての組み合わせに対する予算配分を考慮する必要はありません。もし CD を中心に考えているのなら、CD プレーヤーやスピーカーに重点を置くのも良い方法です。また、ターンテーブルを中心に考えるのならアナログプレーヤーに重点を置くことをお薦めします。最初に良いアナログプレーヤーを買っておけば、あとでスピーカーを買い替えた場合にもレコードを良い音質で聞くことが出来ます。安いアナログプレーヤーはレコードを痛める傾向があるので、あとで良いプレーヤーを買っても取り返しがつかなくなることがあります。

もう 1 つの予算配分の方法は、レコード/ CD を買う予算をあらかじめ見込んでおく方法です。色々な音楽を楽しむことに重点を置くのならば、多くの予算をソースに使うべきかもしれません。

スピーカー、ターンテーブル、CD プレーヤ、テープレコーダーをどうやって評価するか、そして何を聞くべきかについては、9.19.2、と 11.1 を見てください。

12.4 音を改善するにはどうしたら良いでしょうか?

最も安上がり且つ効果的な方法はスピーカーのセッティングを正確に行うことです。13.1 を参照してください。スピーカーのセッティングを正しく行えば、あらゆる楽曲で周波数レスポンスやフラットネスが改善でき、立体的なステレオイメージの再生ができます。

12.5 Combo システムと単品コンポはどちらが良いでしょうか?

以前の Combo システムは話になりませんでしたが、最近はひどいものばかりではなくなっています。ものによってはかなり良いものもあります。特に「オーディオ愛好家」の設立した企業の製品にはなかなか良いものがあります。Combo システムには多くの利点があります。スペースファクターが良いこと、リモコンによる統合化された操作が可能であり使いやすいこと、などは Combo システムならではの利点です。これは機器の接続や使いこなしに自信のない人などには大きなメリットです。また、Combo システムではケーブルをたくさん繋がなくてもよい利点があり、見た目にもすっきりしたものになります。

もしあなたが Combo システムを買うつもりなら、ブランドが「 オーディオ専業メーカー」なのか「家電メーカー」なのかをチェックしてください。「ブランド- X 」の Combo システムは高すぎる割にはあまりよくありません。できるだけ「本当の」ハイファイ店など、音の評価が可能な店で買って下さい。中級のハイファイ店では、初心者を相手にする方法で Combo システムを売っていますので注意して下さい。

ほとんどの場合、Combo システムの弱点はスピーカーです。Combo システムのスピーカーを入れ換えると劇的に音を改善することができます。だいたい 100 - 200 ドルの価格帯以上のスピーカーに交換するとかなり音は良くなります。Combo システムの中にはスピーカーをセットの中に含まない良心的なものもあります。スピーカーを換えるだけで Combo システムでも十分に音楽が楽しめるようになるでしょう。

では、単品コンポの存在意義は何なのでしょうか?たしかに便利さや大きさの点では Combo システムは優れていますが、純粋に良い音を追及すると言う点では、やはり Combo システムは単品コンポにかないません。好みの音を実現するためには、異なったメーカーの機器を組み合わせて使うことが普通です。この作業はたいへん手間の掛かる作業ですが、この手間を惜しんでいてはよい音は実現できませんし、またこれはよい音を追及する人々の楽しみでもあります。

単品コンポはセッティングや操作が面倒ですが、その反面より良い音が得られます。また単品コンポにはフレキシビリティがあります。例えば、CD プレーヤーをグレードアップしたい時にも簡単に置き換えることができます。Combo システムではシステム全体を置き換えなければなりません。また、もしテープデッキが壊れたのなら、テープデッキだけを修理に出すことが出来ます。Combo システムではシステム全体を修理に出さなければなりません。

何か新しいソース( LD、VTR、DAT、DCC、MD、など)をシステムに追加したい時でも、単品コンポなら、それを買い足すだけです。Combo システムでは機器の追加ができません。さらに、単品コンポではターンテーブルを加えることができますが、最近の Combo システムではターンテーブルを追加することができなくなっています。あなたはレコードを沢山持っていませんか?

もし迷っているのなら、単品コンポをお薦めします。ただし、もし Combo システムが自分のニーズに最も合っていることがはっきりしているのなら、Combo システムは合理的な選択です。

最近、多くのメーカーから見た目の良い「コンポーネントのセット」、特に非常に小型のモダンなシステムが発売されており、これらはとても魅力的に見えるかも知れません。しかしこらは Combo システムと大差ない場合が多いようです。これらのシステムの端子は標準的なプラグを用いていないものがあります。とうぜん非標準のプラグでは単品コンポの追加に対応できません。

これらのシステムが特殊な接続を用いている理由は、コントロール系統を統合するためにコントロール信号用を端子に追加しているからです。また、物によっては 1 つの電源を共用している製品もあります。ですから、これらのシステムは基本的に Combo システムと同じ欠点を持っていると考えたほうが良いでしょう。もし他のメーカーのコンポーネントと組み合わせることを考えているのなら注意が必要です。

12.6 FM を上手く受信するにはどうしたら良いでしょうか?

A .もっと良いアンテナを使う ( 12.712.8 参照)
B .指向性アンテナを使う ( 12.712.8 参照)
C .指向性アンテナの向きを合わせる
の 3 つが基本です。
Rhombic アンテナは大きいので簡単に動かすことができませんが、八木アンテナやダイポールなら比較的簡単に回転させて指向性を合わせることが出来ます。(訳者注: Rhombic アンテナとは、3 波長以上の 4 本の導線をひし形に組み合わせ、先端に整合負荷を接続して進行波電流を流すようにしたアンテナ。指向性、入力インピーダンスとも広帯域特性をもっており、短波帯のアンテナとして広く用いられている。別名ひし形アンテナと言う) ダイポールの場合、東の方向に合わせる時はアンテナを南北方向に向けて下さい。八木の場合は、小さい素子側を放送局に向けて下さい。

12.7 小型 FM アンテナの性能はどの程度ですか?

やはり小さなアンテナは受信感度が劣ります。アンテナの感度は一般にその大きさに比例しています。もちろん、例外はありますが、おしゃれで高価なミニアンテナは一般にあまり良くありません。小さなアンテナでは内部で受信信号を増幅して利得を稼いでいるものがありますが、増幅器の品質はたいていチューナー内部の増幅器の品質よりも良くありません。このようなアンテナを使用すると、シグナルだけでなくノイズも増幅してしまいます。
ただし状況によっては小型 FM アンテナは単純なダイポールより良い場合があります。もし可能なら、返品できることをたしかめてから購入することをお薦めします。

12.8 最も良い FM アンテナは何ですか?

ベストではありませんが、Rhombic アンテナは指向性の点で最も優れています。このアンテナは非常に指向性があり、同方向に複数の放送局が集中している場合でも、選択的に 1 つの放送局を受信することが可能です。また、このアンテナは高い建物の多い都市部で発生するマルチパスによる影響を避けるためにも効果的です。

Rhombic アンテナは、3 波長以上の 4 本の導線をひし形に組み合わせ、先端に整合負荷を接続して進行波電流を流すようにしたアンテナで、指向性、入力インピーダンスとも広帯域なことが特徴です。FM 放送の周波数で十分な指向性を持たせるためには、少なくとも全長 4.5 メートル、幅 1 メートルの Rhombic アンテナが必要です。幅を狭くすると指向性が高まり、長くすると感度が向上します。

指向性に優れたもう一つのアンテナは「八木」です。八木アンテナは普通のテレビ用アンテナに似ています。FM とテレビの周波数は近いのでテレビ用アンテナを FM アンテナとして代用することもできます。八木アンテナは安く、指向性があり、回転させることが容易である利点を持っています。

最も手軽で単純なアンテナは 300 オームのフィーダー線を使った折返しダイポールアンテナです。長さはおよそ 1.5 メートルです。このアンテナはある程度強く信号を受信できる地域では中々使えます。折返しダイポールは多くのチューナーとレシーバーの標準アクセサリとして付属していますし、2 ドル程度で購入できます。

アンテナには指向性がありますので、特定の放送局を最良の条件で使うためにはアンテナを動かすことが必要です。折返しダイポールの場合、指向性は主に垂直方向と水平方向にありますので、色々な角度にアンテナを動かしてみて下さい。実験あるのみです。ただし、電波の伝搬は気象条件によって変化しますので、いつも同じアンテナの位置で最良の受信ができるとはかぎらないことをお忘れなく。

アンテナ技術に役に立つ本は、American Radio Relay League (ARRL) から出版されている「 The ARRL Antenna Book 」です。現在は第 16 版で、736 ページもの分厚い本です。送料込みで約 20 ドルで購入できます。この本にはかなり詳細なアンテナ理論や、構造と設置についての図、イラスト、性能比較やアドバイスなどのような実際的なインフォメーションが記述されています。ARRL はアマチュア無線の団体によって設立された非営利組織です。アンテナはアマチュア無線にとって極めて重要な部分です。

	American Radio Relay League
	225 Main Street
	Newington CT 06111 USA
	203-666-1541
次の本も参考になります。

	Practical Antenna Handbook by Joseph J. Carr
	Tab Books #3270/McGraw Hill - ISBN 0-8306-3270-3

12.9 電源ラインコンディショナとは何ですか?

電源コンセントは場所によって電源ラインインピーダンスがわずかに異なり、また発生するノイズもそれぞれ違っています。アンプはこれらによって微妙に影響を受けます。電源ラインコンディショナはこのノイズを減らすためのものです。機種によっては電源ラインインピーダンスを変えられるものもあります。この装置が十分に投資に見合うだけの効果をもたらしてくれるかどうかは、実際に聞いてみるしかありません。

12.10 振動対策はどのようにしたら良いのですか?

CD プレーヤーやターンテーブルは振動によって微妙な影響を受けます。この対策にはいくつかの方法があります。1 つはラックに重量を加えることです。重いものはゆっくり動きます。重量が増えれば共振周波数を可聴帯域外に追い出すことが可能になります。

もう 1 つの方法はが CD プレーヤーやターンテーブルの下でゴムやエラストマ (Sorbothane) のクッションを加えることです。結果はよい場合と悪い場合の両方があります。実験してみてください。

3 番目の方法はラックと床の間にスパイクを使ってカプリングを増やす方法です。スパイクは重量を一点に集中します。ラックと床の間のカプリングを増やすもう 1 つの方法は事務用品店で売られている 「 HoldIt 」などのプラスチック接着剤を使うやり方です。

12.11 100% アメリカ製の製品を出しているのはどのメーカーですか?

アメリカにはハンドメイドの製品を生産している多くのメーカーがあります。残念ながらこれらのシステムは通常ハイレベルのものです。メーカーによっては日本でも生産を行っている所もあります。疑問があればメーカーに問い合わせてみて下さい。以下に主な合衆国のオーディオメーカーをリストアップしておきます。
	Adcom (日本で生産している製品もあります)
	Audio by Van Alstine
	Audio Research
	California Audio Labs (CAL)
	Carver (日本で生産している製品もあります)
	Jeff Rowland
	Krell
	Mark Levinson
	McCormack
	McIntosh
	Parasound
	Proceed
	PS Audio
	Spectral
	Waida

12.12 「 xxx 」、「 yyy 」、「 zzz 」の内どの製品が良いでしょうか?

体験談や個人的主観を述べることは簡単ですし、お薦めの製品を紹介するように心掛けていますが、あなたが何を重視するかわからないので、それがあなたの気に入るかどうかはわかりません。
例えば、新品と中古品の比較を行う場合、ある人は「保証を考えると新品を買うべきです」と言うかも知れませんし、また別の人は「壊れても修理は簡単なので中古でも良い」と言うかも知れません。これらは両方とも正しい意見です。

またスピーカーを選ぶ場合も同様です。低音の出かた一つをとってみても、人によって感じ方はさまざまです。あるスピーカーは非常にフラットな低音を持っているけれども量感は今一つ、また別のスピーカーは低音が良く出るけれどもあまりフラットではない、と仮定します。どちらが良いと感じるかは個人の好みの問題です。
スピーカーはデザイナーが重視するプライオリティのバランスになるように設計されています。デザイナーには外観を重視する人もいますし、能率を重視する人や、小さい容積のエンクロージャで低音をたくさん出そうとする人もいます。要は、何を重視して設計したかによるのです。ですからアドバイスをした人が重視する項目と、あなたが重視する項目が一致することはむしろ稀でしょう。あなたは本当にネット上の見知らぬ人からのアドバイスに従うことが出来るのですか?

12.13 サラウンド、Pro Logic とは何ですか?

ドルビー研究所は、映画のサウンドトラックをいっそう劇的かつ魅力的にするために、多チャネルのオーディオシグナルをコード化する信号コーディングを開発しました。AV アンプやホームシアターシステムにはこれらの信号を解読する電気回路が内蔵されています。これらのコンポーネントは Pro Logic、Dolby Pro Logic、サラウンド、などに対応しています。サラウンド再生には対応したソフトが必要です。通常の音楽ソフトはほとんどサラウンドに対応していませんが、映画ソフトでは極く一般的になっていますし、一部のネットワーク TV プログラムにも対応した番組があります。

良いサラウンド再生には 5 つのスピーカシステムが必要ですし、スピーカーが 2 つだけの場合に比べてセッティングは一層難しくなります。しかしうまくセッティングを行えば音の動きが手に取るようにわかるようになるでしょう。サラウンドイメージの品質を決定するのは、録音/放送の質と、再生コンポーネントの選択です。

サラウンドに関する情報は ftp://ftp.csn.org/Laserdisc/ld03 で得ることが出来ます。

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