テープデッキやターンテーブルのテストを行うときは、まず速度変動率(ワウ・フラッタ)に注意してください。チェックに最適なのが、2001 年宇宙の旅のテーマとして知られている、R ・シュトラウス (Richard Strauss) の「ツアラストラはかく語りき (Sprach Zarathustra) 」です。この曲のメインテーマの前には、オルガンの低音が長く連続して録音されています。この部分を注意して聞けば、音がふらついたり、震えたりしないかどうかがチェックできます。ピンクフロイド の「壁」の始めの部分もお薦めですが、多少連続音の部分が短いのでテストしにくいかもしれません。テープデッキは高周波部分を失う傾向がありますので、高周波成分をたくさん含んだソースを使ってチェックすることをお薦めします。
ターンテーブルの音質を大きく支配するのはカートリッジです。異なった価格帯の中からいくつかを聞いてみて下さい。カートリッジとトーンアームには相性の善し悪しがありますので、ターンテーブルそのものを比較する場合には、できれば同じアームとカートリッジでターンテーブルを評価してください。多くののカートリッジはトーンアームによっては性能を発揮できない場合がありますから、それぞれを独立のパーツとして考えずに、トーンアーム/カートリッジのペアを 1 つのシステムとして扱ってください。
CD プレーヤーの評価にはピアノ音楽が最適です。高音が安っぽくないかどうかをチェックしてください。また、ボリュームを下げて聞くだけでなく、無音に近い小さな音が録音されている CD を試聴してみてください。CD プレーヤーの歪みは通常大きな音量部分で測定されます。これは他の機器でも同様です。しかし CD プレーヤーでは、他の機器と異なり、音楽の柔らかい部分や小音量の部分で聴感上の歪みが多くなる傾向があります。クラシック音楽はこのようなチェックに適しています。ロックにはこのような表現をもった曲が少ないので、評価には注意が必要です。
CD プレーヤーの歪みは、量子化ノイズや、フィルタリングの遅延などで発生するプリ・エコーなどによって発生するものです。これらの歪みをチェックするために、金管楽器などの高調波(倍音)を多く含んでいる音楽を聞いてみてください。残念ながら、CD プレーヤーはその仕様や採用技術などからでは、その音を予測することが出来ません。とにかく聞いてみる以外によい手立てはありません。
もちろん、録音環境、アーティスト、録音エンジニア、使用マイク、曲の内容などによって千差万別です。
これらの条件を同一とした場合にも、個々のディスクの間には若干の差異があります。最も初期の CD には粗雑なものや、経年劣化を起こしてしまうものが存在していましたが、現在ではそのようなものは無くなっています。
現在では、普通の「アルミニウム」ディスクよりも耐久性や音質が向上したとされている「ゴールド」ディスクが売られています。これらは普通のディスクよりも 15 ドル程度高価な値がつけられています。研究によると、コンピュータデータを何十年以上も保存する場合には、金をガラスでコーティングしたものが有利であるという結果が示されています。しかし、わたしはこの結果をもってオーディオデータの保存が 50 年以上可能になったと判断するのは早計で、追加の実験が必要であると思っています。その理由は、CD の録音には独自の誤り訂正コードをいることと、CD では一部のデータの欠損があっても完ぺきに復元できなければならないからです。
ディスクにはアルミニウムの表面にピンホールが開いているものがあり、これはディスクに強くライト当ててみれば目で見ることが出来ます。しかしこれらのディスクは音質上も耐久性上も問題ないので、これらのピンホールによる影響は恐らく無いものと考えられます。何人かの研究者は種々の機種のプレーヤーを用いて実際にディスク上のエラーをカウントする実験を行っています。
実験の結果、一般に同じディスクから検出されるエラー件数は、CD プレーヤーの機種による違いと整合性があるという結論が得られています。また、一般に、ほとんどのディスクは十分にエラー訂正可能な冗長データを使っていることも検証されました。なお、実験の結果はある特定の種類ディスクのグループに共通してより高い誤り率があることを示しました。このグループは「 music sampler 」と呼ばれる販売促進用のディスクで、レコード会社が所属アーティストの売り込みのために配付したものでした。これらの CD は他より高いエラー件数を示したにもかかわらず、音質的には特に問題ありませんでした。
普通の取り扱いをしているかぎり、経年変化によりディスクが劣化することは非常に稀です。実際に劣化したものの多くは、前述した初期に生産された CD がほとんどのようです。
いくつかのディスクが他のものより良くマスタリングされていることは間違いありません。ひどいミキシングの物もありますし、クリッピングが目立つ録音もあります。もともとダメージがあるマスター録音から作られた物もあります。CD 技術を使っていれば必ずよい音楽だったり、良い録音であるわけではありません。
LP にも優秀録音盤は数多くあり、これらの多くはデジタルマスターを用いています。このことはデジタル技術そのものには全く問題がないことを示唆しています。
ある人たちは LP が CD より音が良いことに気付いています。LP を擁護する人達は、家庭用の CD プレーヤーに使われている D/A コンバーターは、CD の録音品質に追い付いていないと主張しています。また彼らは家庭用の CD プレーヤーのアナログ回路が貧弱であると主張しています。
またある人たちは、CD には周波数レスポンスエラー、歪み、あるいは LP のステレオセパレーションなどの問題がないため、CD は LP よりも優れていると主張しています。
一般に、ターンテーブル、カートリッジ、トーンアームなどにも良いものと悪いものがあるのと同じように、CD プレーヤーにも良いものと悪いものがあります。本当に厳密な比較をするためには、両者共に究極の設備が必要になりますし、そんなことは現実には不可能です。普通に買えるシステムでは、LP、CD、共に信号は多かれ少なかれ悪化します。
LP を楽しむためにはカートリッジを変更したり、レコードのメンテナンスに注意したり、ターンテーブルやトーンアームの調整などが必要です。しかし、逆にいえば、アームの高さを変えたり、カートリッジの取り付け角を変更したり、トーンアームのワイヤーを変えたりして調整を行えば、色々な音が楽しめました。CD ではこのような楽しみかたは出来ません。
このような声に応えるために、最近、Audio Amateur Magazine では、Magnavox 560 や類似のヨーロッパの CD プレーヤーのために、CD プレーヤーの改良記事を掲載しました。オーディオマガジンでも同様の記事を出版しています。
モーター技術の改善にもかかわらず、ほとんどの素晴らしいターンテーブルはベルトドライブを使っています。ゴムローラー(アイドラー)ドライブは最悪です。
ワウ・フラッタを防ぐために、できるだけ重いターンテーブルを選んでください。こぶしでターンテーブルを叩いてみて下さい。シンバルのように「鳴る」ものはだめです。音がしないものを選んで下さい。
ベースから針先までが良くアイソレーションされているターンテーブルを探してください。アイソレーションをテストする方法は、まずアンプの電源を入れ、入力セレクタをフォノ入力に切り替えます。ターンテーブルモーター は OFF の状態で、ターンテーブルの上に古いレコードを置き、レコードに針を下ろします。そして次にベースのエッジを軽くたたいてください。あまり強くたたくとアームが飛んでしまいますので、そこそこの力で叩きます。アイソレーションがよくないと「ゴツン」という音がスピーカから聞こえてくるでしょう。アイソレーションが十分良ければまったく何も聞こえないでしょう。もし「ゴツン」という音がしばらく後を引くようなら、アイソレーションテストは失格です。何か他の機種を探すべきです。このテストを行う時にはターンテーブルの電源コードは抜いておいてください。
もしターンテーブルがトーンアーム付きのものなら、アームも同時に評価してください。良いアームの条件は、高さが調節可能であること、カートリッジの取り付け位置が調整できること、堅牢、精密で、ベアリングの遊びがないこと等です。理想的なアームは、様々な種類のカートリッジが取り付けられるものですが、現実にはハイコンプライのアンスカートリッジと相性が良いアームと、ローコンプライアンスと相性が良いものがあります。詳しくは問い合わせて確認して下さい。
推薦するターンテーブルは、デンオン、Dual、リン、ミッチェル、オラクル、Pro - Ject、Rega、Sota、トーレンス、VPI です。もし安価なものを探しているのなら、NAD の 5120 がおよそ 160 ドルで売られています。
Grado ZTE+1 は 30 ドルと値段も安くお薦めできます。カートリッジにはほかにも色々良いものが MM 型、MC 型の両方にあります。MM (ムービング・マグネット)型、MC (ムービング・コイル)型は音色も異なりますし、それぞれ長所を持っています。一般に、MM 型は MC 型よりも出力が大きくなっています。MC 型は専用のプリアンプ回路が必要です。詳しくはディーラに問い合わせてください。
以下にいくつか推薦できるものを示します。Sumiko Blue Point :$125 Denon DL-160 :$125 Shure VST-V :$150 (MM, Std Mount) Audio Technica AT-95E (MM, Std Mount) Denon DL-100 :$85 (MC High Output, Std Mount) Ortofon MC-10 Super MkI :$110 (MC Low Output, Std Mount)
恐らくまだ売られているとは思いますが、種類は少なくなると予想されます。店によっては「特別注文」になるでしょうし、取り扱わない店も多くなるでしょう。
「プロ用」あるいは「 DJ 用」のカートリッジの供給は続けられるでしょう、「 ハイエンドオーディオ愛好家向け」カートリッジは売られ続けられるでしょうが、非常に高価になるでしょう、「中級」カートリッジは非常に入手困難になるでしょう、そして少数の「低予算」カートリッジは今と同じように豊富に供給されるでしょう。また、いくつかのメーカは完全にカートリッジの生産をやめるでしょう。
中古レコードの市場はコレクターによって維持されていくでしょう。中古レコードはきっと 25 年後にも人気がある市場として成り立っていくと思います。
新しいレコードについては、20 年前に比べると市場は小さくなっています。ヨーロッパの一部では人気アーティストの多くの作品は LP でもリリースされていますが、国によって事情は異なるようです。スペインでは多くの LP が売られているという情報もあります。(訳者注: 97 年 2 月にスペインに行き、5、6 件の店をのぞきましたが、一般のレコード店では LP は置いてありませんでした)
最近、日本 とイギリスでは LP の販売が増加しています。ポリドールは古いレコードを再リリースしていますし、利益が上がればさらにリリースは増えるかも知れません。また、日本では再リリースプロジェクトに取り組んでいる人達もいます。これらの再リリースの多くは、ジャズコレクター、クラシックコレクター、そしてアナログマニアを対象としたものです。販売は予約注文方式で 2、3 カ月に 1 度の割合でリリースされているようです。各シリーズは大体 20 タイトル程度出ています。日本では去年このようにして 100 タイトル以上の LP をリリースしました。
率直に言って、効果はありません。
CD プレーヤーはレーザービームでディスクの情報を読み取ります。緑のマジックはディスクの内部の乱反射を防ぐ効果があり、読み取りがより正確になると言われています。
しかし、科学的な研究の結果では、この対策を行ったものと、行っていないものの間に相関はありませんでした。さらに、ダブル・ブラインドテストの結果でも、両者の間にはっきりとした聴感上の差異を感じ取った人はいませんでした。
はっきり言って、この対策はお金の無駄です。
ディスクからの読み取りデータは 0 と 1 のシリアルデータ列です。このビットストリームにジッタが発生した場合、D/A コンバータは同期ずれを起こすことになります。実際にこの現象が起きると、アナログ信号の出力はとぎれとぎれになり、聴感上は音飛びなどの症状として現れます。スタビライザーのメーカーは、これらのリングはジッタを減らしてより完全な信号が得られると主張していますが、現実にはスタビライザーを使わない場合に音飛びを起こすような CD プレーヤーは商品になりませんので、スタビライザーが必要になるケースは考えられません。
さらに、スタビライザーのメーカーは、ディスクの MASS を増やすことによって、ディスクがスムーズに回転し、モーターや電源のトランジェントロードを減らす効果を主張しています。
仮にこの主張が本当だとしても、プレーヤーの機種によってはスタビライザーを使用することが出来ない機構になっていますし、プレーヤーの設計時点では、スタビライザーの重量分の負荷の増加を考慮に入れて設計していないので、うまく動作せず、故障の原因になる恐れさえあります。
いくつかの例外はありますが、科学的な研究の結果では、この対策を行ったものと、行っていないものの間に相関はありませんでした。さらに、ダブル・ブラインドテストの結果でも、両者の間にはっきりとした聴感上の差異を感じ取った人はいませんでした。
はっきり言って、お金の無駄です。
現在の所、コーティング剤やスプレーは使用しないほうが無難です。物によってはディスクにダメージを与えるものがあります。
アーマオールの効果については色々な説があります。代表的なのは、光学ヘッドが引き起こす静電気を減らす効果があると言う説と、ディスクの表面をシリコン被膜で覆うことで回折効果を減らすという説です。
しかし、科学的な研究の結果では、この対策を行ったものと、行っていないものの間に相関はありませんでした。さらに、ダブル・ブラインドテストの結果でも、両者の間にはっきりとした聴感上の差異を感じ取った人はいませんでした。
アーマオールの最も強い提案者の 1 人は、最近自説の撤回を公表しました。彼は今、アーマオール はディスクにダメージを与える可能性があることを警告しています。彼は Dawn dish detergent という洗剤でディスクからアーマオールを洗い流せることを報告しています。
どちらも事実上同じです。
1 ビットのプレーヤーにも、マルチビットのプレーヤーにも優秀なものがあります。 ある人たちによると、マルチビットのプレーヤーはアナログ技術の改善によって進歩するのに対して、1 ビットの技術は、急速に進歩しているデジタル技術で改善することができるためにより有利であると言っていますが、マルチビットを養護する人達も数多くいます。
種々の D/A コンバータはすべて同じ役割をして、理想的なパフォーマンスを得ようとするためのものです。どの程度のものが作れるかは、D/A コンバータのアーキテクチャよりも、設計者の能力、設計に費やした時間、部品の品質などによって決まるものです。
プレーヤーによって 3 ビームのものと、1 ビームのものがありますが、どちらの場合でもビームの生成には 1 つのレーザーダイオードを使っています。3 ビーム方式は、単にトラックの位置合せの方法が異なっているだけの違いです。別段優劣はありません。
どちらの方式にもよいものと悪いものがあります。3 ビームが良いと言っているメーカーがあるのは、単にマーケッティング戦略です。多くのマーケッターは宣伝のために何か売り文句を考え出すものです。自分の耳に自信をもっててください。
(訳者注: BMG は CD の通販の会社で、「 8-for-1 」とはセット物 CD のこと、格安なので人気があるらしい)
はい、物は良いです。ただし、彼らは頻繁にメールを出してきますのでこれを我慢しなければなりません。ただし、「 POSITIVE OPTION 」を選択しておけば、受け取ったのメールにいちいち答える必要はありません。一回の CD の発送に 2 ドル程度かかりますが、8 枚をセットで買えば一枚のディスクを 16 ドルで買うことができるのでかなりお買い得です。
BMG コレクションには 2500 種類以上のディスクがあります。この中には、クラシック、ポップス、ジャズなどがあります。すべての BMG ディスクは多くのレーベルから集められたものです。BMG のディスクは小売店で売られているものよりも品質が悪いという噂がありますが、これは事実ではないようです。BMG は通信販売以外に小売店にも同じディスクを卸売りしています。
(訳者注:この章は日本人には役に立ちそうもないので翻訳を省略します)
(訳者注:この章は日本人には役に立ちそうもないので翻訳を省略します)
(訳者注:この章は日本人には役に立ちそうもないので翻訳を省略します)
CD のオーディオデータは 1 ワード 16 ビット単位で書き込まれています。D/A コンバーター( DAC )の役割は、このデジタルの値を電圧に変換することです。多くの DAC チップでは、電荷を(バケツの水のように)一旦コンデンサーに蓄えておき、そして選択的にアナログ出力しています。他の方式では、電流あるいはソース電圧のアウトプットを合計する方式を採用しています、しかし動作原理はどちらもほとんど同じです。
マルチビットの変換器では、入力ワードに対応する 16 個のバケットを持っていて、それぞれのバケットは 1、2、4、8 ...32768 の電荷単位 (charge unit) で構成されています。ディスクから解読されたワード(サンプル)は直接 DAC に渡されます、そしてそれらの入力ワードの 1 つに対応しているバケットの電荷が出力され、そのバケットは空になります。
十分な精度を得るためには、バケットのサイズは 1 電荷単位の半分(+/-)の精度が求められ、すなわちこのことは大きなバケットでの許容誤差が 0.01 %以下でなければならないことを意味します。これはかなり困難なことです。さらに 24kHz から 64kHz までに発生するイメージスペクトラムの除去には、複雑で、高価なフィルターが必要になります。
この対策として考えられたのが、44.1kHz における 16 ビットワードのストリームを、デジタル信号処理を使って、より高いサンプリングレートで短いワードストリームに分割する方法です。分割されたデータストリームは同じオーディオバンドのシグナルを意味しますが、ワード長縮小の結果たくさんの余分なノイズが発生します。このノイズはノイズ・シェーピングによって主に 20kHz 以上に現われます。つまりオーバーサンプリングを行うとイメージスペクトラムはずっと高い周波数に発生することになります。
オーバーサンプリングを行った場合のデータストリームは、よりショートワード長の DAC によってアナログ電圧に変換することができますし、また 20kHz 以上のノイズの大部分は可聴信号に影響を与えない単純なアナログフィルターによって除去することができます。
現実の製品では、11.3MHz で 1 ビットワードをサンプリング( 256 倍オーバーサンプリング)する方法や、2.8MHz で 4 ビットワードをサンプリング( 64 倍オーバーサンプリング)する方法などが用いられています。前者の方法は 1 つの任意の大きさのバケットを使用する方法で、フィリップス・ビットストリーム方式と呼ばれるコンバーターで使われています。後者の方法は、1、2、4、8 の 4 つの電荷単位バケットが必要となりますが、各バケットの許容誤差はおよそ 5 %程度で十分な精度を出すことができます。
MASH や PWM システムは フィリップス・ビットストリーム方式 に類似していますが、デジタル信号プロセッサの出力においてパルス幅を変える部分が異なります。1 つのバケットを使うことはフィリップス・ビットストリーム方式と同じですが、バケットに電荷を満たす準備プロセスに特殊な方法を用いています。例えば、MASH ではバケットに与える電荷を 11 段階に分けて使用します。(この段階表現には、3.5 ビットが使われます。2 進法の 3.5 ビットはおよそ 11 を表します。)
上記説明のように、DAC 技術にはいくつかの方式がありますが、忘れてはならないのはどの方式を用いた場合でも目指す機能は同じであると言うことです。CD プレーヤーの性能は決して DAC の方式で決まるものではなく、どの方式を使った CD プレーヤーにも良いものもあれば悪いものもあります。変換技術には各々長所/短所がありますし、様々なパラメーターを考慮してコスト・パフォーマンスに優れた商品を設計することはエンジニアの永遠の課題でもあります。
マグナボックス(フィリップスの OEM )は以前は信頼性の点で難点がありましたが、最近は大分良くなっています。マグナボックスは 200 ドル以下の価格帯ではずば抜けた音質を持っています。もちろん 買う前には自分の耳で聞いてみてください。
Rotel、Marantz、NAD、ヤマハを推薦します。
食器用洗剤を使って、たくさんのきれいな水で洗い流してください。こすってはいけません。決して円を描くように拭かないで下さい。水を勢いよくかけてディスクを洗ったら、水滴を振り落とします。最後に柔らかいきれいな布で軽く叩いて乾かしてください。
ディスク裏側の軽い引っかき傷ていどなら、磨くだけで完全に修復できるでしょう。引っかき傷が多い場合や、傷が深い場合、表側に傷を付けた場合には、修復不可能になることがあります。音声情報はラベルのすぐ裏の反射層に記録されています。もし反射層にダメージを与えたなら、そのディスクは再起不能でしょう。
補修する前には、きれいな水と液体食器用洗剤を少しだけ使ってディスクを洗ってください。力を入れてこすらないでください。きれいな水で洗剤を洗い落として、できるだけ水を振り落としてください。
最後に、柔らかいきれいな布でラジアル方向に最後の水滴をふき取ってください。
小さい引っかき傷は、古い T シャツに歯磨きを付けてこすれば取れます。
CD の裏側をジョンソンの床用ワックス (Johnson's Klear floor wax) でコーティングする方法もあります。このワックスの屈折率はかなりポリカーボネートに近いので、うまくいけば引っかき傷を埋めて再生可能になるでしょう。
Noteworthy Music (800-648-7972) では CD 修理キット( #CDR 200、11.99 ドル、1 セット)を売っています。このキットをつかって引っかき傷を完全に無くすのは、少々根気がいりますが、宣伝されている通りの効果はあるようです。
ホビーショップでは、プロ用のプラスチック磨きコンパウンドを売っています。このコンパウンドは、アクリル、プレキシガラス (plexiglas) などを磨くために使われるものです。宝石磨きの光沢剤も同じ効果があります。最初に大まかに磨き上げておいて、その後酸化スズを使って鏡面仕上げすると良いでしょう。望遠鏡レンズの研磨キットも効果的です。Novus のプラスチック光沢剤とクリーナも定評があります。自動車塗装部分の光沢剤として売られている「 T-Cut 」は大きい傷を削るのに好適です。オーディオマガジン (Audio Magazine) では「 Memorex CD Repair And Maintenance Kit 」を最も良いツールとして推薦しています。
マグナボックスの CD プレーヤーなど、フィリップスのチップセットを使っているものなら追加することができます。SAA7220 という IC を探してください。その IC が使われていれば改造できます。電子工作の経験がある人なら、次の手順で改造できるでしょう:
まず、SAA7220 の 14 ピンにある終端抵抗を取り去ってください。次に、そのピンを広帯域パルストランスの入力側に 560 オームの抵抗を介して接続してください。トランスの他のプライマリー側はグランドに落してください。Pulse Engineering PE65612, Schott Corp 6712540, Scientific Conversions SC916-01 はどれでも使えます。620 オームの抵抗を通してプライマリーを迂回してください。
トランスのアウトプットを RCA ジャックに接続してください。RCA ジャックの側面は接地させないでください。これでアウトプットは S/PDIF コンパチブルになるはずです。
多くの人は、「 Hi-Fi News & Record Review test disc 」を使っています。これまでのところ、この CD はなかなか評判が良いようです。
Chesky からは 2 つのテストディスクが出ています。1 つは「 Chesky Jazz Sampler Volume I 」というもので、LEDR と呼ばれる優秀なイメージテストシグナルと、いくつかの録音の良いジャズ、及び他のテストシグナルで構成されています。もう 1 つは「 Chesky Jazz Sampler Volume II 」というもので、テストの内容は異なりますが、類似の音楽とテストで構成されています。
Stereophile からも 2 つのテストディスクが出ています。第一集は限定版のようですが、第二集は最近発売されたばかりです。
デンオン も同じく 2 つのテストディスクをリリースしています。1 つは「ディジタルオーディオチェック」で、これは家庭用として大変役に立つものです。
もう 1 つは「オーディオテクニカル 」で、これは機器のリペアショップや、テストディスクマニアを対象としたものです。
もしテスト CD をお探しなら、下記のショップで色々なテスト CD を扱っています:DB Systems Main Street Box 460 Rindge Center NH 03461 USA 603-899-5121
結論から言うと、これらの記号は音質とは関係ありません。この 3 文字はレコーディングとマスタリングに何を使用したかを表しています。
1 文字目は録音プロセスを表します。例えば「 ADD 」はアナログ録音で、「 DDD 」はデジタル録音を意味しています。ただし、アナログ録音には、2 トラックの民生用のレコーダーや、プロ用の高速で幅広のテープを使用したマルチトラックのレコーダーなどさまざまなものが含まれますし、デジタル録音にも 2 トラックの 家庭用の DAT を使ったものや、高度なマルチトラックのディジタルレコーダーを使ったものまで色々なものが含まれています。
2 文字目はミキシングと編集プロセスを表します。ミキシングと編集は、マルチトラックのマスター録音のレベル調整、録音ミスの削除、イコライザーの調整などを経て、最終的に 2 トラックのテープを作るプロセスです。アナログ/デジタルの両方に良い機械があります。
3 文字目は最終のマスタリングを表します。CD の場合は当然ながらすべてデジタルですから、3 文字目は常に「 D 」になります。つまりこの 3 文字には、AAD、ADD、DAD、DDD の 4 種類が存在します。
残念ながらこの 3 文字の記号はあまり意味を持っていないので、将来リリースされる CD には表示されなくなるかも知れません。また現在表示されているものでも間違いが多いので、あまり気にする必要はありません。
いくつかの高価な良い機械があります。人気があるのが「 Nitty Gritty 」という名前のものです。この機械はレコードにスプレーをかけ、溝に入っているゴミを吸い出す動作を自動的に行うというものです。レコードを大量に所有している人や、投資を惜しまない人にとっては、この機械はよい買い物になるかも知れません。
もしそれほどレコードコレクションが多くないのなら、今も昔も手で洗うことが良い方法であることに変わりはありません。レコードを洗う前に次の準備をして下さい。
・1 ガロンの蒸留水
・1 グラムの Alconox (ラボラトリー洗剤)(訳者注:研究室などでのガラス容器の洗浄用に売られている中性洗剤の一種です。残留物が少ないというのがうたい文句で、粉末で売られています。日本でも Fisher など実験用具を扱う会社を通して購入できます。)
そして、動物の毛でできたブラシを手に入れて、毛先を適当な硬さ/長さに切りそろえておきます。ブラシを切りそろえるときには、毛先が溝に入り込むことができ、それでいてレコードを傷つけない程度の硬さになるようにしてください。レコードクリーニングにアルコールを推薦する人もいますが、アルコールにはビニールの可塑剤を溶解する作用がありますので、ゆくゆくは LP の質を低下させることになりお薦めできません。またアルコールは 78 回転( SP ) のセラックも溶かしてしまいますので、けっして SP に使用してはいけません。
LP を水平に置き、上記の液体を注いでください。そしてブラシで溝の中をきれいにしてください。すべての溝にブラシをかけ、溝の方向に添ってこすってください。水道を出しっぱなしにして洗剤と汚れを洗い流してください。最後に蒸留水でレコードをすすぎ、柔らかい、きれいな綿の布で叩いて乾燥させてください。(訳者注:実際にやってみました。たしかにかなりきれいになりますが、レーベルがべろべろになってしまう難点があります)
また、LP を演奏する時には常に、炭素繊維のブラシを使うことをお薦めします。このブラシは表面の汚れと雑音を取り除く作用があります。(訳者注:おそらく SHURE などのアメリカ製カートリッジに付属しているブラシのことだと思います。日本では音質に影響があるとされ、評判は良くないようです)
針圧は一般にトーンアームの後ろ側のつまみを回すことで調整できるようになっています。針圧を 0 に調整すると針先は宙に浮いて、トーンアームは水平になります。針圧はカートリッジメーカーの推奨値以上で使うようにして下さい。
どんな場合でも推奨針圧以下では使わないで下さい。低すぎる針圧では、大きな振幅が与えられると針先が溝を正しくトレースできなくなり、レコードにダメージを与えてしまいます。
良いトラッキング状態を得るためには、微妙な針圧の調整が必要です。テストレコードを使って慎重に調整するか、あるいは一連の計測器を備えているディーラに調整を依頼してください。
トーンアームメーカーが推奨値を明示している場合は、まずその値に合わせてください。トーンアームの種類によってはアンチスケーティングを調整できるようになっています。これらのトーンアームでは、針圧に合わせたアンチスケーティングの調整ができます。トーンアームにこの機構があるかどうかはメーカーのマニュアルを読んでください。
スケーティングエラーがどの程度発生しているかは、針先にライトを当ててみれば大体わかります。レコードをかけて、針先が正しくカートリッジの中心線にあるかどうかをチェックして下さい。もし針先が片側に偏っているならアンチスケーティングの調整が必要です。
テストレコードを使えばさらに微妙な調整ができます。十分な音量の高周波が左右均等に録音されたテストディスクを手に入れて下さい。お薦めするのは Shure の ERA-III, IV, V です。このテストディスクでは「 グリーン・スリーブス」をフルートで演奏したものが 5 つの周波数帯で録音されています。左右のセパレーションが各周波数帯域で同一になるように、針圧とアンチスケーティングを調整して下さい。ただしこの調整方法は初心者には少し難しいかも知れません。
レベルの高い販売店では、アンチスケーティング等のカートリッジやトーンアームのパラメタを調整するための電子計器を持っています。このサービスを得ることができればそれが一番よい方法でしょう。
ほかにも調整が必要な個所があります。高レベルの販売店に相談することがベストですが、自分の耳を信用することも大事です。
まず水準器が必要です。大工さんが使っているような精度の高いものを手に入れて下さい。正確な針圧設定のためには Shure の針圧ゲージを使うのもよい手段です。他のツールとして推薦できるのは、Geo-disk、分度器、Cart-Align などです。これはカンチレバーアライメント調整のためのプラスチック鏡です。
またトラッキング角の調整も重要です。トラッキング角は目視でチェックすることができますが、テスト器具とテストレコードを使えばより完ぺきに調整できます。さらにカートリッジの取り付け角度、トーンアームの高さなどの調整も必要です。詳しくはトーンアームのインストラクションマニュアルを読んでください。
トーンアームケーブルは信号経路のなかで最も重要なものです。ケーブルの静電容量は高周波特性に直接的な影響を及ぼします。また、ハムを少なくするためにはシールドの正しいアース接続が不可欠です。ケーブル/プリアンプ/カートリッジが全体として正しいキャパシタンスを持つためには、時にはプリアンプの入力コンデンサーを換える必要があるかも知れません。トーンアームケーブルを置き換えれば入力コンデンサー交換と同等の効果を持ちますが、しかしトーンアームケーブルの交換はプリアンプの入力コンデンサーの交換よりも困難です。機種別の対応策についてはカートリッジ/トーンアーム/プリアンプのマニュアルを調べてください。
トーンアームケーブルに関しては、16.6 章を参照してください。
ターンテーブルの調整についての記事は Stereophile、1990 年 7 月号、ページ 62-85 も参考になります。
CD はポリカーボネートの最上層、アルミ(または金)の反射層、ポリカーボネート下部層と、印刷面から成り立っています。ポリカーボネートは正しい取り扱いを行っていれば非常に安定しています。シリコンあるいは溶剤を含んでいる液体を CD に使わないでください。日光などの強い光にさらさないでください。CD にラベルを貼らないでください。CD に文字を書かないでください。高温な場所にに CD を放置しないでください。水に漬けたままにしないでください。CD の最上面は最もダメージを受けやすくなっていますので注意が必要です。
1980 年代初期の CD にはポリカーボネートに悪い影響を及ぼすインクを使っていたものがあり、最終的にアルミニウムを侵食する事態を引き起こしましたが、現在ではこのようなものはありません。また以前はディスクの周りのエッジの密閉が不完全で、アルミ層にさびが発生するものがありました。現在の CD 工場ではすでにこの問題は解決されています。
これらの問題さえなければ、最近の CD は 30 年以上もつでしょう。1983 年の CD のほとんどは現在でも音質の劣化がありません。
Stuart Kahler の報告によると、現時点で最も長いのは、Depeche Mode の海賊版「 Evolution 」で、81 分 9 秒あります。次に長いのは MCA の復刻したスティーリー・ダンのグレーテストヒットで、79 分 17 秒あります。その次は Musical Heritage のバッハ: Goldberg Variations で、79 分 2 秒です。最近の設備は精度が上がっているので、CD のトラック間隔は以前よりも狭くなっています。