アコースティック対エレクトリック
エレクトリック(電子)ドラム
電子ドラムセットは、アコースティックドラムセットと同じようなセットアップに一連のサンプリングパッドを並べたものにすぎません。木製のスティックがゴムを叩く、生気のない音がするだけで、パッドそのものはアコースティックな音を出すようには出来ていません。ドラムセットをアンプやスピーカー、ヘッドフォンなどに接続しない限り、ドラムの音は聞こえないのです。そのため、音量に制限がある場合の練習に適しています。
長所
– 音量を抑えなければならない、あるいはまったく音の出せない環境での練習に最適です。パッドにはアコースティックドラムより小さいものが多いですから、スペースが取れない場合は電子セットが適しています。
– 電子音楽を作っていて、MIDIサンプルが必要な人に最適なツールです。中級以上の電子ドラムセットならパッドごとに異なる音色を割り当てることができるようになっていますから、別途サンプリングパッドを購入する必要がありません。
– 電子セットの大半にメトロノームが搭載されています(スマホにメトロノームのアプリをダウンロードすればよいだけなので、これは今ではあまり重要なことではありませんが)。
– 調整の必要がありません。
– ドラムのメンテナンスの知識も必要ありません。
– ドラムとシンバルのサンプルにあらかじめEQ処理が施されていますので、録音されたドラムの音と遜色のないサウンドが得られます。
アコースティックドラム
アコースティックドラムセットとは、ドラムとシンバルが一体となって演奏されることを目的とした集合体のことです。一般的なドラムセットは、バスドラム、スネアドラム、タムタム(演奏する音楽の種類などによって数が異なる)、ハイハットシンバル(2枚のシンバルを一緒に演奏して「ひよこ」のような音を出す)、ライドシンバル、クラッシュシンバルで構成されています。ドラムやシンバルは、ドラムスティックやマレットで叩いて音を出します。
長所
– ロック、ポップス、ジャズ、ブルース、ファンクなど、ほとんどのアコースティック音楽に適しています。
– ハイボリューム、ハイエナジーなアクションに最適です。
– 早い段階で良い音を出すには、ちょっとした才能が必要になります。
– タッチや感触に敏感。
– アコースティック楽器の場合、メンテナンス方法を理解しなければなりませんので、これが貴重な体験となります。他人のドラムで演奏する場合、それがアコースティックである可能性は高いですから。
結論
真剣にドラムに取り組み、それを職業にしたいと考えている方なら、アコースティックドラムに投資すべきです。そんな目的を持った方が電子ドラムを選んでしまうと、かなり厄介な習慣を身につけてしまうかもしれないからです。そしていったんそうした習慣を身につけてしまうと、変えるのに何年もかかってしまいます。
気軽にドラムを習いたいという方、アコースティックセットのパワーには特にこだわらないという方、電子音楽だけを演奏したいという方には、電子セットをおすすめします。電子セットなら、近所の人に迷惑をかけずに、美しい楽器の演奏の仕方を学ぶことができます。
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